介護タクシー事業の開業は株式会社や有限会社などの法人はもとより、通常のタクシーではその許可要件が厳格で容易ではない個人事業としての許可取得も法人許可と同等の内容にて容認しており、ドライバーとなる者が二種免許さえ有していれば個人事業として開業することも可能なため、近年、多くの開業希望者が介護タクシー事業への参入をされています。
新たに事業を立ち上げるにあたり介護タクシー車両をどのように確保されるのかは事業者毎にてマチマチですが、初期投資を抑えるため既に所有している福祉車両を活用される方も多く、また、ごく一般的な乗用車をそのまま介護タクシーとして設定される方もいらっしゃいます。
これは、介護系資格(ヘルパーや介護福祉士など)を保有している方がドライバーとなる場合には、通常のセダン型と呼ばれる車両での運行も認めており、制度上は特段、新たな車両を用意する必要もなく、これまで通勤や買い物など日々の生活に使用をしてきたマイカーを介護タクシーとして使用することも可能となっているからです。
このような事情から、介護タクシーとして登録した緑ナンバーや黒ナンバーの車両を普段使いしたい、つまりは介護タクシーとして運行している時間以外は自家用車として使いたいとご相談をいただくケースが増えておりますので、この点について解説したいと思います。
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介護タクシーとして登録した車両は自家用使用は認められていない
先に結論を書くと話の内容がつまらなくなりますが、タイトルのとおり介護タクシーとして登録した緑ナンバーや黒ナンバーの車両を自家用車として使用することは認められておりません。
要は介護タクシーとして登録した車両はご自身の趣味や家族サービスには使えないのです。
個人事業として車1台からスタートされる方は、既に保有している自家用車を介護タクシー登録したり、保有している車両を手放して介護タクシーとして使用する車両を購入したりするケースはあるものと思いますが、こういった場合、介護タクシー車両は自家用車としての使用は一切認められていないことに十分に注意し運行を行う必要があります。
介護タクシーは個人事業であっても法人タクシーとしての位置づけ
「介護タクシーは自家用車として使用することはできません」との説明をさせていただくと、「個人タクシーは自家用車として使用しているじゃないか」といったご指摘をいただくことがあります。
確かに個人タクシーの場合、一定の範囲が設定されているものの条件を満たすことで自家用車としての使用を認めておりますから、家族での旅行や買い物などに利用することは可能です。
ただこれは、あくまでも「個人タクシー」として許可を受けている場合の話です。
少々紛らわしい内容ですが介護タクシーの場合、株式会社など法人での許可取得、個人事業としての許可取得のいずれも位置づけは「法人タクシー」です。
タクシー事業の正式な名称としては「一般乗用旅客自動車運送事業経営許可」と呼ばれますが、介護タクシーはこの中でも「福祉限定」と呼ばれ、通常の法人タクシーのルールに一定の条件を付け、また条件を付ける代わりに許可を取得する上での要件を緩和したりしているに過ぎず、根本的な考え方は法人タクシーと一緒なのです。
これに対し、個人タクシーは同じ「一般乗用旅客自動車運送事業経営許可」の中でも「一人一車制」と呼ばれ、これを「個人タクシー」と定義しております。
許可を受けるためのドライバー要件なども異なっており、介護タクシー許可のように二種免許さえ取得すればひとまずドライバー要件はクリアといった簡単なものではありません。個人タクシーの許可取得は容易ではないのです。
ただ、法人タクシーの括りである介護タクシー許可は「一人一車制」の個人タクシーでは無いが故のメリットもあります。
要は「一人一車(許可を受けた個人が1台しか登録できない)」ではありませんので、個人事業においても複数台の介護タクシー車両を展開することが可能です。
これについては長くなるので別の機会にご説明したいと思います。
自動車に付された任意保険の範囲にも注意する必要がある
これまでの説明のとおり、例え個人事業として介護タクシーを許可を受けたとしても登録した介護タクシー車両を自家用車として使用することはできません。
これをしっかりと守っていれば何ら気にする必要はありませんが、やはり数多くの存在する事業者の中には「バレなきゃいい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
このようなことを記事にすると悪事を容認するようでとても不愉快ではありますが、これにより被害を受ける可能性のある方がいらっしゃることを考え、注意事項として書いてみます。
それは任意保険の範囲について。
介護タクシーは任意保険への加入が許可の要件とされておりますので、加入をしないといった選択肢はありません。全社全台が加入必須です。
しかし、この保険契約においては事業用車両としての契約となり、自家用使用を想定していないことは言うまでもありません。
そこで想定されるケースとして、ルールに反して自家用使用をした場合に保険適用があるのか否かという点。
これは保険会社の考え方や事故などが起こった際の状況などにもよるものと思いますので、我々の判断にて断言することはできませんが、飲酒運転などルールを守っていない事故等には保険が適用されないケースが存在することを考えると実際に事故が生じた際、保険支払対象外とされてしまう最悪の事象も考えられますから、くれぐれもこの点は保険代理店の担当者やご自身にて約款を確認するなど内容を抑える必要があるのではないかと考えます。