介護タクシーを新規にて開業する場合には、何よりもまず許可を受けなくてはなりません。
そしてこの許可審査に必要な書面として残高証明書の提出を求められますが、これにより事業計画が問題なく進められるであろう資金を確保していることを証明しなくてはなりません。
既に潤沢な資金の準備ができている方、これから借り入れなどによって準備したいと考えている方、資金確保の内容は本当に様々かと思いますが、許可審査において残高証明書が重要であることに変わりはありません。
そこで今回は、介護タクシー許可申請に用いる残高証明書について解説してみます。
尚、今回の記事は関東運輸局管内(東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬・山梨)のエリアに営業所を構えて介護タクシーを開業される皆様に向けたものです。
その他の地域では異なる場合もありますので、ご注意ください。
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残高証明書とは??
残高証明書とはその名のとおり、確保済み預貯金等の残高を金融機関の証明印をもって証明される書面です。
普通預金、定期預金などの名称による取扱いの差はありませんので、全ての合算や口座毎の残高を一覧表のような形にて証明してくれます。
しかし、通帳などに入金した当日は発行してもらうことができませんので注意してください。
これは証明書の発行請求を行う際に証明日を指定することとなりますが、最短でも前日以前の確定した残高を証明する性質からです。
また、発行請求をかけてその当日に発行される金融機関もあれば、一週間程度を要する場合もありますので早めに確認しておきましょう。
介護タクシー許可において取得するべき残高証明書とは
ケースとしては少ないものの時折、誤った残高証明書を取得してしまったり、金融機関の担当者が勘違いをして発行しているケースもあるようなので解説します。
- 預貯金残高証明書
- 融資残高証明書
どこの金融機関においても残高証明書と言えば、上記の2種類が存在するものと思います。
この中でも敢えて「2」を用意される方がおりますが、これは意味がありません。
融資残高(既に借りているお金)がそれなりに大きい方は、残高証明書に記載される額面自体は当然に大きくなりますが、許可審査において見ているのはあくまでも資金が準備できているか否かですので、借入金が多くとも実際に現金が残っていないのであれば審査は通せません。
実際に確保済みの資金を証明しなくてはなりませんので「1」の預貯金に関する残高証明書を取得しましょう。
尚、預貯金として通帳に入っているお金であれば融資を受けた資金などでも問題はありません。
預貯金の残高証明書を取得する。証明する残高は融資を受けた資金の残金であっても問題はない。
残高証明書を取得するべきタイミング
介護タクシー許可申請に添付する残高証明書は申請日から遡ること1ヶ月以内のものを提出します。
どんなに残高が大きくてもこれよりも前の日付のもので審査を受けることはできません。
ある程度の資金が常時確保できているのであればさほど気にすることではありませんが、準備に多少の時間を要する場合などは計画的に進めることが良いでしょう。
尚、残高証明書が発行された発行日ではなく、あくまでも残高が確保されていた証明日が重要ですので誤りのないよう準備してください。
残高証明書は許可申請日より1ヶ月以内のものを提出。証明書発行日ではなく証明日が対象であることにも注意しよう。
許可申請時点の残高は原則としてキープ
許可申請時点に添付した残高証明書の額面については許可決裁が下りるまでは原則としてキープすることとされています。
もう少し詳細を申し上げれば、許可申請書に記載した事業計画によって算出された金額以上をキープしておくこととなります。
残高証明書にて証明する資金は、許可を受けて実際に開業するに当たり必要と考えられる資金の証明を求めているわけですから、当然と言えば当然です。
原則として残高証明書の額面はキープ。最低でも資金計画にて記載した額面を下回らないよう注意する。
融資を受けて資金調達する場合の注意点
手元の資金が極めて乏しい場合や、開業までの資金は確保済みだがその後の運転資金が心配な方など、最初の段階から融資を検討される方も一定数はおられます。
しかし、これまでの説明のとおり、許可申請時点において残高証明書を求められることから融資を受けるタイミングなど非常に重要な注意点が存在します。
幾つかの項目に分けて解説してみたいと思います。
許可申請前に融資が実行される融資制度を利用する
これは非常に重要なポイントです。
経験則を交えた内容ですが、介護タクシー事業などいわゆる許認可ビジネスの開業資金や運転資金として融資を受ける場合には、許可書などの営業許可を受けている証明を求められることが多いです。
特に金融機関や制度融資などでは融資審査が早々に完了したとしても、実際の融資実行は許可書などの提出を求めてからということが圧倒的です。
これは許可後の運転資金に用いるのであれば何ら問題はありませんが、許可申請を含めた開業準備の資金として当てにしている場合には致命的となります。
もしも、資金が極めて乏しい状態から融資を前提に開業したいと考えている場合には、計画を立てる段階から開業支援のコンサルティングを開始させていただくことがとても望ましいと考えております。
融資を受けた資金で残高証明書を取得するつもりであれば融資実行日は極めて重要。許可書が無ければ融資が実行されないことも多い。
介護タクシー許可申請において融資証明書は審査の対象外
数ある許認可の中には、介護タクシー許可と同様に資産に関する証明書の提出を求めているものは多いです。
しかし、許認可によっては融資の審査が終わっていれば「融資証明書」を添付することにより許可決裁まで進むものもありますが、介護タクシー許可においてこれは通用しません。
あくまでも許可申請日時点にて現金にて確保がされているかを審査しています。
例え融資の審査が終わっていても未来の日付にて融資が実行される証明書は使用することができない。
開業のための資金計画は早めの意識が重要
ここまで介護タクシー許可を受けるための残高証明書について解説してみましたが、確保が難しそうだと感じている方もいらっしゃるでしょうか。
準備金がどの程度確保されているのかによって、その戦略は異なりますが、融資申込先の選択やローンやリースの利用など色々なパターンを考慮し計画することが非常に重要となります。
開業の気持ちはあるが準備に不安をお持ちの場合には早々にお声がけいただくことをお勧め致します。