お電話での
ご依頼・ご相談

027-289-8199

平日9:00〜19:00 土日祝休み

ノウハウ・知識
ノウハウ・知識
ノウハウ・知識

2022.11.15

建設業許可

建設業許可の基礎知識

経管や専技が退職して不在に!許可取消前に対策を

建設業許可を受けている方なら知らぬ者はいない「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」。

経営業務の管理責任者を略して「経管」、専任技術者を略して「専技」と呼ぶことが多いためこのサイトにおいても同様に記述していますが、建設業許可を語る上ではとても重要な役職です。

建設業許可を受けるためには建設業者としての一定の経営経験を持つ経管や、資格や実務経験を有した専技の配置が義務付けられており、新規許可を取得した際には、これらの経管や専技の要件を証明するため書類集めに奔走したのではないでしょうか。

しかし、一度、許可を受けてしまうとこの辺りの意識が厳かとなってしまうことが多いようで、重要な役職が欠けているにも関わらず気にせずに営業を続けていたりする方がいらっしゃいます。

しかし、経管や専技の不在は許可の取消要件です。

もしもそのような事態が生じてしまった際には適切な対応をすることが求められます。

どのような対応が望ましいのか今回は解説してみます。

 

まずは経管や専技の代役となる者がいないかを確認しよう

経管や専技の方が退職や死亡などの理由にて常勤かつ専従ができない場合、このままでは許可を維持することはできませんし、それどころか取消対象です。

不在の理由に同情の余地があろうがなかろうが許可の要件ですから問答無用にアウトです。

そこで、まずは代役がいないかを確認してみましょう。

経管が抜けたのであれば経管の要件が満たせるものがいないか?専技が抜けたのであれば専技の要件を満たせるものはいないか?

ただし、この場合の注意点として従前の経管や専技が不在となった日の時点において代わりとなる者が在籍している必要があるため、不在となった日よりも後に採用した従業者などは対象とはなりませんので注意しましょう。

 

経管が不在となった場合の確認事項

経管にはいくつか要件はありますが、建設業を営む者として5年以上の経営者としての経験を持つ者が概ね就任することが多い役職です。

自社にて複数の取締役がいる場合には、他の取締役が要件を満たしている可能性は十分にあります。

また、他の会社にて取締役となっていた方や、個人事業主としての経験を持っている方も対象です。

詳細についての確認は関連記事、常勤役員である経営業務の管理責任者でもご確認ください。

 

専技が不在となった場合の確認事項

専任技術者は資格を保有している技術者や一定の実務経験を有する者が就任可能ですが、これは意外と社内に眠っていることも多いようです。

まずは該当となる資格を保有した従業者がいないかを確認してみましょう。

また、資格は保有していなくとも10年以上の実務経験を持った方がいるかもしれませんし、高校や大学にて指定学科を卒業している従業員の方は3年や5年の実務経験にて要件を満たせる場合もあります。

指定学科による実務経験期間の短縮については関連記事、工業系高校or大学卒業で専任技術者の実務経験を短縮でもご確認いただけます。

 

知っておいて損はない!自主廃業と行政取消の大きな差

要件を満たせなくなったら許可は維持できない。これは何度も記載しているとおりです。

しかし、既に経管や専技が不在となっているにも関わらず申告もせずに許可業者として活動を続けるとどうなるのか。

許可を監督する行政機関も全ての建設業許可業者を監視できているわけではないでしょうからすぐに取消とはならないと考えます。

しかし、ちょっとしたきっかけで事実が知れたりすれば問答無用、許可は取り消され、そしてこの行政庁の判断による取消の場合には重いペナルティがあり一度、許可を取消されてしまったら5年は許可が取れないと思ってください。

許可を取消され、5年もの間、許可が取れない。

そうならないためにも本当に手に負えなくなったら自主的に許可を取り消すほかありません。

 

結論!代役がおらずどうにもならなければ自ら許可を取消そう

経営業務の管理責任者や専任技術者が何らかの事情により不在となり、同様の経験や資格などをお持ちの方が他にいないとなれば残念ながら手段はありません。

要件を満たしていないのですから、許可を維持することは認められません。

しかしながら前述のとおり、行政機関による判断での取消処分には重いペナルティが生じます。

その前に自主的に許可要件が満たせなくなった旨の届出を提出し自ら許可を取消す、正確には廃業届という書面を提出し自主的に廃業(建設業許可の返納)を行いましょう。

単に要件が満たせなくなったことを理由として自主廃業した場合には、再度、要件が満たせるようになった際にはすぐにでも許可申請をすることができます

一時的に許可業者ではなくなりますが、大きなペナルティを受けて5年もの間、許可が取れないことを考えればこちらの選択が望ましいでしょう。

 

許可要件の欠落に備えたリスクヘッジ

建設業許可を失うと500万円以上の工事を請け負うことはできなくなります。

また、近年では大手ゼネコンやコンプライアンス意識の高い元請業者などにおいては、その下請業者に対し請負金額の大小に関わらず許可の取得を求められることも多いようです。

建設業許可を失ったら倒産なんてことも現実問題として生じうるはずです。

そこで、普段から万一のリスクに備えた人員配置を考えるべきであると考えます。

なかなか簡単にはいかないのかもしれませんが、早い段階から策はを考えておく必要があるということです。

現時点において経管や専技の要件を満たせる方が少ない場合には、許可を失う前に役所や行政書士にご相談してみてはいかがですか?

弊法人においても許可の維持はもとより、戦略的な許可の管理を顧問契約のメニューに設けておりますから、ご利用いただければ少しは安心していただけるのではないでしょうか。

 

建設業許可取得サポート

お問い合わせはこちら