管工事業の専任技術者となるためには建設省告示第352号(一般建設業許可)又は、建設省告示第1317号(特定建設業許可)にて示された国家資格を保有しているか、一定の実務経験を有した者などでなければなりません。
まず、一般建設業許可において専任技術者として認められる要件を見てみましょう。
- 国が示す国家資格の保有者
- 高等学校(中等教育学校を含む)にて国が示す指定学科を修めて卒業し5年以上の実務経験を有する者
- 大学(短期大学、高等専門学校を含む)にて国が示す指定学科を修めて卒業し3年以上の実務経験を有する者
- 専修学校にてを国が示す指定学科を修めて卒業した者のうち専門士又は高度専門士を称する者は卒業後3年以上、それ以外の者は卒業後5年以上の実務経験を有する者
- 10年以上の実務の経験を有する者
- 国土交通大臣特別認定者
となっており、このいずれかの要件を満たしていなければ専任技術者となることはできません。
続いて、特定建設業許可においては、
- 国が示す国家資格の保有者(主に1級資格者)
- 国土交通大臣特別認定者
と、一般建設業許可の場合と比較し、上位の資格を求めており要件を満たせる者はかなり重宝されていることが現状です。
そこで今回は、国が示している国家資格について、また、実務経験を短縮することができる高校や大学の指定学科について解説したいと思います。
管工事業に分類される主な建設工事
まずは実務経験などを語る前にどのような工事が該当するのかを理解しておかなければなりませんので、簡単に例示をしておきます。
管工事業に分類される国が示した建設工事の例としては、
- 冷暖房設備工事
- 冷凍冷蔵設備工事
- 空気調和設備工事
- 給排水・給湯設備工事
- 厨房設備工事
- 衛生設備工事
- 浄化槽工事
- 水洗便所設備工事
- ガス管配管工事
- ダクト工事
- 管内更生工事
などが代表的な工事となります。
実務経験にて専任技術者となる場合にはこれらの建設工事に一定期間、従事したことを証明しなくてはなりません。
管工事業の専任技術者に就任可能な国家資格
管工事業の専任技術者に資格要件にて就任するためには次のいずれかの資格を有している必要があります。
- 一級管工事施工管理技士(◎)
- 二級管工事施工管理技士(建築)
- 機械「流体工学」又は「熱工学」・総合技術監理(機械「流体工学」又は「熱工学」)技術士試験合格者(◎)
- 上下水道・総合技術監理(上下水道)技術士試験合格者(◎)
- 上下水道「上水道及び工業用水道」・総合技術監理(上下水道「上水道及び工業用水道」)技術士試験合格者(◎)
- 衛生工学・総合技術監理(衛生工学)技術士試験合格者(◎)
- 衛生工学「水質管理」・総合技術監理(衛生工学「水質管理」)技術士試験合格者(◎)
- 衛生工学「廃棄物管理」・総合技術監理(衛生工学「廃棄物管理」)技術士資格合格者(◎)
- 給水装置工事主任技術者(★1年)
- 冷凍空気調和機器施工・空気調和設備配管技能検定合格者
- 給排水衛生設備配管技能検定合格者
- 配管(選択科目「建築配管作業」)・配管工技能検定合格者
- 建築板金(選択科目「ダクト板金作業」)技能検定合格者
- 建築設備士(民間資格)(★1年)
- 一級計装士(民間資格)(★1年)
- 登録配管基幹技能者
- 登録ダクト基幹技能者
- 登録冷凍空調基幹技能者
※ ◎は特定建設業許可の専任技術者にも就任可能。
※ ★は資格取得後に記載年数の実務経験が必要。
※ 管工事業は特定建設業7業種に該当するため実務経験による特定建設業許可の専任技術者への就任は不可。
実務経験期間の短縮が認められている指定学科
工業系の高校や大学など一定の指定学科を卒業している者は、実務経験を短縮し専任技術者に就任することが認められていますがどのような学科が対象なのでしょうか。
管工事業において実務経験の短縮が認められている指定学科は以下のとおりです。
尚、「土木工学科=土木工学に関する学科」、「建築工学科=建築工学に関する学科」などわかりやすい学科を卒業されている方は判断に迷うことは無いと思いますが、自分の卒業した学科がいずれに該当するのか判断に迷われる場合には関連記事、工業系高校or大学卒業で専任技術者の実務経験を短縮に国が示す指定学科の詳細を記載しておりますのでご覧ください。
指定学科一覧 | |
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管工事業 | 土木工学、建築学、機械工学、都市工学又は衛生工学に関する学科 |
※ 表中の土木工学には、農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含みます。
※ 管工事業は特定建設業7業種に該当するため実務経験による特定建設業許可の専任技術者への就任は不可。