資本金を増資して特定建設業許可を取る！

特定建設業許可を取得したいと考えるのであれば、直近の決算状況がとても重要です。

一般建設業許可においては気にする必要はありませんが、特定建設業許可となると「財務状況（経営状況）」が審査項目に存在するからです。

細かく設定された基準と照らし合わせ、これらの基準をクリアできるかどうかで許可取得可否が決まりますが、要は経営状況が良ければ「可」、逆に悪ければ「不可」ということです。

しかし、経営状況がどんなに良好な会社であっても財務要件を満たせない場合があります。

それは資本金が2,000万円に満たない設定となっている場合です。

財務状況が一流企業並みであったとしても登記された資本金額が2,000万円未満の場合には許可要件を満たすことができません。

そこで今回は、特定建設業許可の財務要件の一つである「資本金額」について、また、財務状況は良好だが資本金額だけが満たせない場合に早急に許可を取る方法などについて解説してみたいと思います。

まずは特定建設業許可の財務要件をおさらい

本題に入る前に、特定建設業許可を取得するために求められる財務要件について触れておきます。

これらの4点が特定建設業許可を取得する上での財務的な要件です。

そして、今回のテーマである資本金額に関する要件は「1」です。

この基準は非常に単純明快で資本金が2,000万円以上か未満かで判断しますので、資本金額が2,000万円未満なのであれば増資を検討することでこの要件は解決が可能です。

特定建設業許可における財務要件の確認は直近の決算書

資本金が満たないのであれば増資をすれば解決！というところまでは良いのですが、問題はその時期です。

資本金のみならず前述した4つの財務要件は、その適合の可否を許可申請直前の決算書にて行っています。

従って、許可申請日現在の月次決算においてどんなに良好な数値をたたき出していたとしても、直近の決算書において財務要件を一つでも満たせていない場合には許可を受けることはできません。

急ぎにて特定建設業許可を受けなくてはならない状況に追い込まれたとしても、決算が締まったばかりの時期であれば定期決算までの長い期間をただ指を咥えて待つことになるのですから、これはとてももどかしい状況です。

何か方法は無いのでしょうか？？

資本金要件だけがクリアできない場合の特例措置

これまでの説明のとおり、特定建設業許可においては直近の決算状況が肝となります。

そんな折、直近の決算書において財務状況が非常に良いにも関わらず、資本金の額だけが要件を満たせず困っておられる会社の方よりご相談をいただく機会があります。

この場合、方法が無いわけではありません。

実は国土交通省が出している「建設業許可事務ガイドライン」というものに、以下のような記述があります。

2.財産的基礎について（建設業法第15条第3号）
中略
（6）この基準（要は財務要件（筆者補記））を満たしているかどうかの判断は、原則として既存の企業にあっては申請時の直前の決算期における財務諸表により、新規設立の企業にあっては創業時における財務諸表により、それぞれ行う。
ただし、当該財務諸表上では、資本金の額に関する基準を満たさないが、申請日までに増資を行うことによって基準を満たすこととなった場合には、「資本金」については、この基準を満たしているものとして取り扱う。

引用：建設業許可事務ガイドライン（最終改正令和3年12月9日国不建第361号）

つまり、特定建設業許可における財務要件について、直近の決算書上にて資本金額のみ要件を満たせない場合には、許可申請を行う前に増資手続を取ることで直近の決算書上の資本金額が2,000万円未満であっても許可要件を満たすと示されているわけです。

意外とこのルールを知らずに勿体ないことをしている会社の方もいらっしゃるようですから、覚えておいて損はないでしょう。

資本金の増資を実行！すぐに特定建設業許可を受けよう！

さて、こうなれば急ぎにて増資の準備まっしぐらです。

増資にはいくつかの方法がありますが、他の財務要件とのバランスが崩れないのであればどのような方法でも構いません。

早々に増資手続を執り行い、登記簿上の資本金額が2,000万円以上になったところで許可申請です。

建設業許可に精通した行政書士に段取りからの準備を任せておけばとにかく安心できて確実です。

手前味噌ですが、勿論、弊法人も精通しております＾＾

是非、お声がけください！